3月 8th, 2010
わたしは坊を待っていた。
坊とはつい先日まで飼育していた桜文鳥で、
放しても逃げずに家の前の電柱に賢くとまっている。
暇が出来ると坊とは謡いをやったり、雲を眺めたりと楽しく遊んでいたものだった。
その坊がここ数日姿を見せぬのだ。
舞魯(まいろ)に話してみたが、
「君の調子はコロコロと変わって、これではアクセスは望めないよ」
ととりつくしまもない。
わたしは「久しぶりに大いに遊ぼうではないか?」と風の便りに書いて送った。
返事は果たしてつれなかった。
「鳥界の上役に大変重要な任務を頂戴してとても忙しいゆえ、しばしお待ち下さいませんか?」
なんだ、坊もすっかり立派になったのだなぁと嬉しい気持ちと打ち震えるような寂しさが込み上げてきた。
綺麗なカナリヤでも、可愛らしい十姉妹でもない、ほんのりと優雅に色をつけた桜文鳥の坊。
電柱を眺めて坊が帰ってきていないかを確認するのが毎朝のわたしの行事である。
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最近、読んだ本
シュガーダーク 埋められた闇と少女 (角川スニーカー文庫) mebae
ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)
家守綺譚 (新潮文庫)
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3月 5th, 2010
僕は相当に苦しんでいて、それは病のようでいて、そうではなくって、それは背後に立つ影、といってもそれは乳白色に混濁していて、グルグルと渦のように僕を取り囲んでいて、ちくとも僕を幸せにしない。
そういうわけでマイロへの電話は通じなかった。
何をしたって、こういう場合は誰にも連絡なんてとれないんだ。仮に連絡がとれたところでプランなんてないんだけど、それにしたって世界の余白で生きているような気分で夜を過ごすのは良い気分ではない。
シクシクと腹が痛む。
みんなだってそれぞれの日々の労働や余暇のために忙しく肉体とか魂とかを切り裂いているのだろうから望んではいけない。
金魚の腹から腸がはみ出ていました。
触らない方がいい。
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3月 3rd, 2010
忘れていたのだけれども、完全に忘れていたのだけれども、
どん底の僕はJumpin’ Jack Flashだった。
金はない。
おまんこもない。
バンドも上手く行かない。
矮小な存在。
それが僕、そしてそれはJumpin’ Jack Flash。
もしあなたがどん底でも、ミミズの金玉に救うダニのウンコのような奴でも大丈夫。
Jumpin’ Jack Flashは救ってくれる。
Jumpin’ Jack Flashならそれだけでオーケー。
Through the Past, Darkly (Big Hits, Vol. 2) The Rolling Stones
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3月 1st, 2010
ライブ終了。
久しぶりにマーシャルを使用。
ファズとディストーションを同時踏みで音が触手のように伸びる。
僕はマイロに届けたかったのだけれど、マイロの心は振動しただろうか?
いいえ、多分震えてはいません。硬い表情のままでドアから出て行ったもの。
その瞬間に僕は孤独を感じた。
それでも気持ちいいと思った。
たとえそうであっても、僕は放出しっぱなしだったんだ。
↓↓こんな曲とかやってます。
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2月 27th, 2010
裏庭 (新潮文庫)
マイロはコロウプ達に話を聞いていた。
代々の庭師が育て、そして荒れ果てる裏庭の話を。
「しかし、人間が生を受けて死ぬまでの間、前庭なんていつだってただの玄関なのじゃ。裏庭こそが生活の根源だと思わないかね」
聡明な光を称えた瞳でコロウプは言った。
僕は救われたような温かい涙を流してその言葉を耳に流し込んだ。
そのコロウプは忠告していた。
「癒しとは傷を持つものには麻薬のようなものじゃ。さほど簡便に心地よい筈がない。傷は生きておるのじゃ」
僕はその言葉をこぼれないように両手でしっかりと掬い上げて飲み干した。
ああ、これで僕は大丈夫なのだと思った。
マイロはトンガリ帽子を被ったままで「ここに来て良かっただろ?」と言った。
僕は深く頷いた。
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2月 25th, 2010
メンバーから月一のライブがちょっと厳しいとの報告を受けた。
主たる理由はライブハウスのノルマが払えないから。
つまり僕は金銭の問題にドップリとはまっている。
ああ、何から何まで奪われるのですね・・・・。
お客さんが入ればいいんだけど・・・。
ブッキングがいっぱい来ているのに、断るしかないの。
とても悲しいの。
名案が何も浮かばない。
気持ちが沈む。
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2月 24th, 2010
ギターの練習をすると心が落ち着く。
僕はギターにはファズを使う。
ジミヘンドリックスが使っていた古くからある機材だ。
それで音をブオーーと太く歪ませる。
電気回路を通った音が僕の心を乗せて出て行く感触があって、とても気持ちいい。
ライブハウスにいる若い人たちはやたらと高音でジャキジャキしている。
もっと太くていいんだよといつも思う。
でも、そんなことは彼らの勝手なのだ。若い人は年上の意見に耳を貸すものではない。
BossのFZ-3(廃盤)という名機とリトルビッグマフ、次のライブはどちらでいくべきか?
FZ-3の方は完全にブチブチ言いそうなオールドライクな音。
リトルビッグマフは芯があって太い、若干今風の音。
マイロに尋ねても「好きにしな」と言う。
当然僕は好きにするつもりだ。
同時にギターの音なんてそれほど誰も聴いてないことも知っている。
僕は誰にも見られず、聴かれず、読まれず、密やかに存在している。
一人ぼっちで存在している。
そのことはすなわち僕の価値なのだ。
愛してる。
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携帯官能サイト、エログともに同じものを更新。
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2月 22nd, 2010
結局のところ僕はおバカさんなのだ。
病床に臥して悔しかったことなんて一度もなかった。
友人達が外で遊ぶのを耳にしながら、僕はお布団の中、想像力と書物に遊んだ。
父親はそんな僕を蔑み、大声で怒鳴りつけた。
それは一つの台風だったので、お布団を被って通り過ぎるのを待った。
母親が「この子はもうすぐ死ぬのですよ。嗚呼可愛そうに」と呟いている場面を幾度となく夢に見た。
それでも辛くはなかった。
なぜならば、僕はそんな風であるからだった。
悔しいと思ったのはずっと後になってからの話だ。
それで僕は
「健全な肉体には退屈な魂が宿る 」
とマイロに言ってやった。
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2月 19th, 2010
恐らく僕はふわふわ病だと思う。
ふわふわすることにかけては全く僕は天才なのだ。
ドライブしてたら車ごとふわふわしたくらいだ。
こんな遺伝子を息子に残してしまって申し訳ない。
彼らはあんなにも美しい領域にいるのにすぐに僕のふわふわ病が発病してしまうのだ。
ああ彼らの未来がふわふわしてしまう。
未知なる繊維があるのであればまずは彼らに結んであげたい。
ドクトルマイロに診てもらおう。
きっと解決策があるだろう。
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2月 17th, 2010
Future Days Can
ドイツの古いバンドで、ダモ鈴木という謎の日本人が歌う、正体不明の音楽集団がCAN。
このアルバムはまったく美しくてどうしようもないくらいにフワフワしてて、よく眠れる。
アナログアンビエントの名作。
とにかくこのヘンテコリンでかつ最高の曲を聴いて欲しい。
一曲一曲が短くて聴きやすいのはこれ。
Ege Bamyasi Can
とにもかくにも電気的なノイズにまみれると僕はなんだか宙に浮いたようになって、自分を取り戻すことが出来る。さっきまでギターを弾いていたので僕はとても元気だ。マイロと長く深い会話をしてきたような、そんな気持ちになる。
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