ユリイカ 現代俳句の新しい波 魂の一行詩報告

5月 19th, 2012

nirvana
(photo by mojolovich)

ユリイカ―現代俳句の新しい波―を買う。
内容的には易しかったり難しかったり。
それでも勉強になった。
ギターを始めた頃、楽器の雑誌を見てもチンプンカンプンだったけれど、
続けているうちに知識と知識が繋がって、膨らんでいくことっていうのはあるものだ。
学校を卒業してからの方が、現代国語面白い。

俳句―魂の一行詩―を始めてから、
・歳時記から美しい言葉を知ることが出来た。
・空白の時間がなくなった(想像力の旅はいつでもどこでも可能である)。
・自分がどのような指向を持つか、後から客観的に見ることができるようになった。
・実体験の強さを信じるようになった。
ついこの間から始めたものだけれど、少しずつ変化する。深く深く。

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#####以下報告
雷も幽霊も夜も猫のもの

雷(らい)の音呼吸を忘れた犬は死ぬ

みんな寝たんで蝸牛(かたつむり)の顔真似

どのような拘束具であれ揚羽(あげは)舞う

明易(あけやす)し寝床で青の歌を聞く

寝冷子(ねびえご)の嘔吐この手にぬくくあり

まだ青き尻にはびこる汗疹(あせも)憎し

くだるとかくだらないとか水中り(みずあたり)

蛇が押す陰陽(いんやん)くるくる回りけり

夏雲を吸い込みて夜子ら膨らむ

五月闇人である必要はなし

悪霊はにらめっこ弱し俺の勝ち

逃避行あのコは夏の秘密基地

三十年いまだ天道虫(てんとうむし)空へ

真夜中を横切る蝿が黒く燃ゆ

西日射す鴨居(かもい)に吊されたる夫人

出目金を入れた次の日赤が死ぬ

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乾燥してる

5月 15th, 2012

Kids Run
(photo by mojolovich)

初夏だというのに水気を全部失って、僕はまた乾燥している。

そんな時、頭を一つのことでいっぱいにするっていうのは良いことだと思う。
どうでもいいこと。
例えば、写真を撮ったりとか、詩を立てたりとか、絵を描いたりとか、歩き回ったりとか、
それらを全部自分だけに捧げるとか。

夢中になると自分の呼吸だけが耳に貼りついて、
何が出来たとか、結果などは別にどうでも良く、
その時、僕はたぶん一生懸命にその瞬間を生きている。
ただ、それで救われるなんてことはない。
救いなんてものは嘘っぱちだから、僕はそんなものは信じない。

それでも、錆びた風車が回ることで景色はほんの少しだけ美しくなる。

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少女の鎖骨 魂の一行詩活動報告

5月 7th, 2012

roadside
(photo by mojolovich)

相変わらず俳句はやっている。
西東三鬼さんの句集を読んでみた。
句もさることながら、文章も素晴らしく面白い。

#####以下報告

夏の月赤き少年投石す

真っ暗なリビングに夏が立ってゐた

愚図る子を打ち据え見やる吹流し

ブルドック春闇に牙深々と

この春はあまり生きてはいなかった

曲芸の影揺らめいて春暮れる

芽の出ない俺を耕す人もあり

春の汗すぐ死にたいと言う僕ら

見張り塔負け犬どもに夏来たる

内側が外側にあり春の闇

蓬髪の老女クローバーの野で笑う

野に遊ぶ少年ずっと犬のまま

夏近し少女の鎖骨透き通る

夏近しまたサーカスがやって来る

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倒れたコップ

5月 4th, 2012

rainy night
(photo by mojolovich)

不満を抱えているのだけど、具体例を挙げると別の何かに変身してしまう。
ともかく、鉛が一本、生活を貫通していて、それはつまり僕を貫通している。

欲しい物はなんだろう。
もう楽にして欲しいとか。
夜明け前の景色とか。
そういうものが欲しいのだろうか。

早く正体を掴んで、欲望へ醸成しなきゃ。
僕は倒れたコップであって、欲望で中身を真空にすることで、前へズリズリ進むのだから。

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サーカス

4月 30th, 2012

road
(photo by mojolovich)

サーカスのテントは、さみしさを呑み込むヒキガエルのようなものだと思う。
軽業師の影は、呑み込まれたさみしさの生まれ変わり。
驚いたり感心したり拍手したりの合間に、誰もがその影に吸い込まれる。
道化は狂ったように動き回る。

恋はサーカスに似ていると思った。

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風光る

4月 28th, 2012

mannequin
(photo by mojolovich)

日本語を母国語に持って誇りに思ったと言えば大げさになるが、そのことを書こうと思う。

歳時記というものが、みなさんの間にどのくらい浸透しているのかわからないけれど、
簡単に言うと季語の辞典である。
俳句以外に使うことがあるのかどうかは知らないけれども、素敵な言葉がたくさん書かれていて、少し感動を覚えた。

「風光る」

これは春の季語である。
春には少し冷たさを含んだ風が強く吹く。日差しも強い。まるで風が光っているようだ。
と昔の人には見えたのだろう。
僕はそのように感じた先達を持てたことを誇りに思った。

春は、出会いや別れやその他曖昧なややこしさもあるけれど、
気持ちがしんどくなったら外に出て、風が光っているかどうか確かめたらいいと思う。

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今日買った本。

桜と錠剤

4月 23rd, 2012

school
(photo by mojolovich)

満開の桜は昼も夜も化石みたいだった。
数人で集まって、桜を見ながら肉を焼いた。
お酒を飲まないので、みんなが酔っぱらうと僕はひんやりしていく。
帰って寝床に入ってからも寝つけない。
切れた電話のツーツーツーという音。
そんな耳鳴りと夜に溶けるための錠剤。

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誰にだって、シェルターが必要なことを知っているから、ストーンズは素敵だ。

ごっそりもっていかれた俺 一行詩の報告

3月 31st, 2012

a crow and a plane
(photo by mojolovich)

誰も楽しみにしていない一行詩を並べ立てる。
日中の句が少ないのはお仕事をしているから、
どうしても朝と夕と夜の詩ばっかりになる。
5-7-5の短い文字数では気取りようもふざけようもなく、
それをするのであれば、真剣に気取ったりふざけたりせねばならない。
しっくりときたものができると心がスーーっとする。

ところで、4月8日(日)はライブ。
いい歳をしてロックンロール。心斎橋ソシオまでみなさんいらしてください。

#####ここから
春夕焼おれをごっそりもってゐった

春服のふくらみで知るやわらかさ

春の宵主観の宇宙が咲きにけり

蠅の子や日差しにヂヂッと消えにけり

春の蚊や仲間少なし欲はなし

春の朝セーフモードで起動する

春日差し狂人を一人笑わせた

白魚や一匹ずつに目玉あり

春日差しあらゆる穴ぐら満たしをり

木の芽時ハゲタカが嫌な声で鳴く

やどかりが夢の尻尾を切り刻む

台所海苔で冷たい飯を喰う

晴れの日は干からびた陽炎を抱く

山笑ふ俺は少しだけ泣く

春の星皿から一つこぼれ落ち

午後6時田螺(たにし)がネオンに身悶える

午後6時捨蚕(すてご)が螺旋を降りてくる

蠅の子を潰して笑う蠅の王

引き抜いてやどかりの腸(わた)の色を見る

生煮えの絵の具に落とす桜貝

春の朝記憶溶かしたミルクティー

孕み猫膿んだピアスを引きちぎる

星朧誰もが時代のミストーン

春風や揺れる光のディストーション

桜貝夜に踏まれて割れにけり

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深海の街 一行詩の報告

3月 24th, 2012

night drive
(photo by mojolovich)

一枚の画像が携帯電話に送られてきて、
本文は何も書かれておらなかった。
それでその画像はとても美しかった。

4月8日(日)に心斎橋ソシオでライブをします。
暇で死にそうな方は是非。バンド名:wooormz。

それでは以下、最近詠んだ句です。

#####
深海の街にも春の灯がふわり

禅僧のまぶたの裏に紅椿

写真機が三月を明らかにする

春分に閉じこめられた黙示録

窓越しにガムラン鳴らす春の粒

汚れゆく君のスケッチ春の泥

春空に甘えるように鳥乱舞

春なかばチューニングはまたズレたまま

春風邪に裂ける勾玉鉄の味

立ち小便花菜にいちもつ見せつけて

春疾風記憶と思考を撹拌す

陽炎を刺し貫いてホーシャセン

コデインの膜を纏いつ春の風邪

紅梅に雨のレンズがちょーヤバい

ゆるゆると物の怪愛撫す春の雨

そのシミが僕には蝶に見えまして

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20123017 一行詩の報告

3月 17th, 2012

rape blossoms
(photo by mojolovich)

春昼の街の裂け目に影法師

月朧お前思ひて垂らす蜜

ベタベタと春の服着て顔がなし

春闇の底に張られたEの弦

その男泥にまみれて花となり

春の闇我がシナプスが開花せり

春光や視界が命孕みけり

吹き飛ばす夢の残滓に風光る

クランケが目玉動かす春の闇

カナリヤを呑んでやろうと蛇穴を出づ

春寒し赤い鱗と濁り水

音立てて梅がお空に散らばれり

脈動が停止するまでピクニック

春空を望み柵越えグッドバイ

カラス舞う空に胸張る梅真白

山繭の中にしばしの雨が降る

さより釣り父が教えた異形のさかな

寝坊助の頬ひっぱたいては冴返る

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これが僕の地図。