墓守物語
ボクは長い間、自分の墓を掘って生きている気持ちでいた。
それはたぶん正しかった。ボクは自分が埋まる部分を見るのが好きだった。
好きっていうんじゃないか・・・。それは安楽だった。
夏の青々した緑の下で、冬の寒々した枯れ木の下で。
ボクは墓を掘って掘って掘りまくった。
ある一定掘れたところでボクはそこに入って座り心地を確かめ。土のヒンヤリした感触を味わったりした。
そうこうしていると、突然ボクはボクのドッペルゲンガーに突き落とされて土をガンガンかけられた。
ボクは顔だけを出して土から生えた格好になってしまった。
ボクのドッペルはボクを散々なじりまくった。おまけに蹴り上げ踏みつけてきた。
涙と血と汗でボクはズルズルのドロドロになった。
意地の悪いことにドッペルは冷たい水を浸したタオルでボクを拭くことがあった。
結局、ボクはそこでも安楽だった。ボクはドッペルを友達として認めようと思ったほどだった。
どうしてそうなったのかはわからないけれど、恐らくドッペルが出現したのと同じ理由でボクは墓から這い出た。
ドッペルが少し姿を消した隙をついて体中の力をまずは右腕に右が出たら左腕に。芋虫のように這い出て、息を思いっきり吸い込んで吐いた。腕を振り上げてみた。
そして、ボクは逃げた。
まだ逃亡中。
