Archive for the ‘ヌラヌラする日々’ Category

冷ゆる洗濯機 魂の一行詩

土曜日, 9月 1st, 2012

cat

(photo by mojolovich)

人は一人で生きているというのはみんな知ってると思うのだけれども、

それは、孤独で複雑で繊細でどうしようもない一個の生命は尊い。

という意味も含めたことで、本当に孤独な人は優しい。

何もかも両手の指をすり抜けて落ちていくのだから、いちいち愛したり憎んだりは疲れる。

せめてその美しさに見惚れてるくらいしか出来ない的な優しさ。

でも、深く覗き込んでみれば、

自分の手の平の下には無限に重なる孤独な手の平のイメージが・・・。

なんか、結構一人じゃないかも的な微笑みをポコン。

#####以下報告

爽やかな女子高生の額(ぬか)に釘

天体に冷ゆるひとつの洗濯機

月や物語に飢えた奴ばかり

気がつけば父に貌(かお)なし地蔵盆

コンバース処暑に破れて風通す

窓に月破瓜の少女は無感覚

長き夜や鉄骨だけの家に坐す

空つぽの虫籠(むしかご)闇の中心点

冷ややかに妻の乳房は眠りけり

野良犬のあくび色なき風の中

携帯の裏蓋なくし夏終る

冗談じゃない犬が見てゐる月がない

チンポコにかまきりをとまらせてゐる

半熟のオムレツ啜る敗戦日

腹が減る蟷螂(かまきり)の眼が黒いから

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ドラキュラにでもなればいいのに

水曜日, 7月 4th, 2012

train

(photo by mojolovich)

僕はすぐに影響を受けやすいので、短歌も詠んでみたのだけど、

まぁ、俳句然り、短歌然りで上手くはなかった。

 

夜更かしさん罪でもないのにうなだれてドラキュラにでもなればいいのに

無害とは言わぬ無添加化粧品お前は既に罪を犯した

KIDA君が古いラジオを分解し作ったシンセに音はなかった

希望には絶望的な成分がそれも踏まえて服用してゐる

連想の繊維で編んだ人形を土に埋めたり月に掛けたり

虚無が来て「俺は虚無だ」と言ったので「虚無は俺だ」と言い返してゐる

いつの日かケツの穴から真実をひり出してやるからよく見てろ

二人きり結晶にしたあの夜が市場の角でゆるゆる溶けた

俺はまた夜気を孕んだエレキテル真夜中にだけ形を成して

安定剤飲んで転んだ真夜中にバラバラになった私はパズル

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ドラッグストアカウボーイ

水曜日, 6月 27th, 2012

street
(photo by mojolovich)

薦められてガス・ヴァン・サント監督の「ドラッグストアカウボーイ」を観た。

アメリカ郊外の生活を切り抜いていて、薬物中毒者の様子が生々しく描かれている。

麻薬作家W.S.バロウズも強烈なインパクトで登場していて、

粘り気のある小さな声が印象に残った。

バロウズは奇妙な人生に振り回される人々によって、(意思疎通不可能な孤高の存在として)

大事に育てられたアイコンなのかもしれない。

 

人間はなんにでも依存する。依存が激しくなれば、対象がなんであろうが、人生は狂う。

狂わぬ程度にすればいいのだろうけれど、狂わぬ程度の依存は恐らく面白くはないだろう。

みんなが何に依存しているか知らないけれど、ともかく幸運を祈ってる。

 

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ソクーロフ監督 太陽

水曜日, 6月 20th, 2012

train
(photo by mojolovich)

 

薦められてソクーロフというロシア人の監督する映画を観た。
「太陽」という映画は昭和天皇を扱った作品で、昭和天皇が終戦を決意する前後の苦悩を描いたものである。
高感度によるヒリヒリとした暗い映像と、イッセー尾形扮する昭和天皇の呟くような口調、ノイズ混じりの不穏なBGM、静かに進むストーリーが混然となって美しかった。

 

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太宰治の命日

水曜日, 6月 20th, 2012

fly on the window
(photo by mojolovich)

今日が太宰治の命日だったとかなんとかで。
13日だろうが19日だろうが、どちらでも良いことで日常生活に困りはしない。
太宰治に「ヴィヨンの妻」という本があって、これを読んだことがある。
その中にまるっきり女性の視点から書かれたものがあって、
登場人物に恐らく自身をモチーフとしたような人も出てきて、
実にねちっこく、嫌らしく書かれてある。
こんなことではさぞ生き辛かったのだろうなと思った。

ところで、僕にも各種人格がインストールされていて、
その日の気分気分で色々な自分を生きている。
残酷だったり感動屋だったり。それを離れたところから見ていたり、結構つらい。
とはいえ、若い頃ほどは悩まなくなり、今は出てくるがままに放置していて、
それによって周りから変わった目で見られることはないので、
以前から思ったより上手く隠せてはいなかったのだろう。
言い換えれば僕はずっと独りぼっちなのであって、
若干のさみしさをたたえつつ自由なのだと思う。

「梅雨の蝶やや浮遊してまだ落ちぬ」

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爆発するトマト 魂の一行詩活動報告

土曜日, 6月 9th, 2012

tomato
(photo by mojolovich)

魂の一行詩の雑誌『河』に投句をしている。
毎月5句送ることが出来るのだけれど、
最初それとは知らずに、投句用紙をコピーして大量に送付して、
編集の方から電話で叱られた。
そんなこんなで毎月やっているのだけれど、
6月号に自分の句が小さく載っていてとても嬉しかった。
以下の2句である。

春の闇我がシナプスが開花せり
啓蟄(けいちつ)や地虫喰らうは原発の豚

#####以下近況
空に汗 少女はからずも武器となる

夕立は他人の傘を盗ればいい

雲の峰 ジャンヌダルクが駆け登る

遠き日の甘きまじない 天花粉(てんかふん)

初夏の朝 車窓に感光した記憶

草いきれ 大地と靴がずれてゆく

残像が本体喰らう夏の窓

サングラス 揺れる犯人像割れる

夜明け前 脳下垂体 闘魚(ベタ)が舞う

行き交うは残像ばかり 夏の夕

夏服の熟女怒りて腹揺さぶる

冷蔵庫開けたり閉めたりしてピアノ

リスカちゃん 裸足で命確かめる

流れ着く無意識の浜辺 夜光虫

短夜(みじかよ)の約束苦し少し吐く

真夜中は独り爆発するトマト

風に揺れ 女 月々薔薇となる

蝕(しょく)の日を登る五月のプロトコル

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夕立で気づいたこと

水曜日, 5月 30th, 2012

birds and cables and a little moon
(GRD3にて)

車の中で自失していると、激しい夕立があった。
そこで、僕は「あ、そうか」と思った。

夕立は「夕立だ!」と思ったから夕立なのであって、
僕が仮に無意識のレベルにおいても何も思わないただの棒切れだったら、
夕立など存在しないのだなぁと思ったのである。
しかし僕は知っている。これは随分と昔に偉い人が気づいたことだ。

それからしばらくの間、夕立の音の中、僕の連想は動いていって、
写真を例にすれば、世界は撮られるのを待っているのではないだろうか。
司祭を例にすれば、世界は祈られるのを待っているのではないだろうか。
詩人を例にすれば、世界はうたわれるのを待っているのではないだろうか。

僕は何をしているのだろう。
このままじゃ世界の方が随分と可哀想じゃないか。と思った瞬間に僕と世界の関係はくるりと倒立して僕はもう一度ああそうかああそうかと目の前が明るくなったそれは気がつけば夕立が終わっていたからだった僕はカメラを取り出してまずは空を撮りそれから急いで一句詠んだ「夕立は他人の傘を盗ればいい」。

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ユリイカ 現代俳句の新しい波 魂の一行詩報告

土曜日, 5月 19th, 2012

nirvana
(photo by mojolovich)

ユリイカ―現代俳句の新しい波―を買う。
内容的には易しかったり難しかったり。
それでも勉強になった。
ギターを始めた頃、楽器の雑誌を見てもチンプンカンプンだったけれど、
続けているうちに知識と知識が繋がって、膨らんでいくことっていうのはあるものだ。
学校を卒業してからの方が、現代国語面白い。

俳句―魂の一行詩―を始めてから、
・歳時記から美しい言葉を知ることが出来た。
・空白の時間がなくなった(想像力の旅はいつでもどこでも可能である)。
・自分がどのような指向を持つか、後から客観的に見ることができるようになった。
・実体験の強さを信じるようになった。
ついこの間から始めたものだけれど、少しずつ変化する。深く深く。

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#####以下報告
雷も幽霊も夜も猫のもの

雷(らい)の音呼吸を忘れた犬は死ぬ

みんな寝たんで蝸牛(かたつむり)の顔真似

どのような拘束具であれ揚羽(あげは)舞う

明易(あけやす)し寝床で青の歌を聞く

寝冷子(ねびえご)の嘔吐この手にぬくくあり

まだ青き尻にはびこる汗疹(あせも)憎し

くだるとかくだらないとか水中り(みずあたり)

蛇が押す陰陽(いんやん)くるくる回りけり

夏雲を吸い込みて夜子ら膨らむ

五月闇人である必要はなし

悪霊はにらめっこ弱し俺の勝ち

逃避行あのコは夏の秘密基地

三十年いまだ天道虫(てんとうむし)空へ

真夜中を横切る蝿が黒く燃ゆ

西日射す鴨居(かもい)に吊されたる夫人

出目金を入れた次の日赤が死ぬ

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少女の鎖骨 魂の一行詩活動報告

月曜日, 5月 7th, 2012

roadside
(photo by mojolovich)

相変わらず俳句はやっている。
西東三鬼さんの句集を読んでみた。
句もさることながら、文章も素晴らしく面白い。

#####以下報告

夏の月赤き少年投石す

真っ暗なリビングに夏が立ってゐた

愚図る子を打ち据え見やる吹流し

ブルドック春闇に牙深々と

この春はあまり生きてはいなかった

曲芸の影揺らめいて春暮れる

芽の出ない俺を耕す人もあり

春の汗すぐ死にたいと言う僕ら

見張り塔負け犬どもに夏来たる

内側が外側にあり春の闇

蓬髪の老女クローバーの野で笑う

野に遊ぶ少年ずっと犬のまま

夏近し少女の鎖骨透き通る

夏近しまたサーカスがやって来る

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倒れたコップ

金曜日, 5月 4th, 2012

rainy night
(photo by mojolovich)

不満を抱えているのだけど、具体例を挙げると別の何かに変身してしまう。
ともかく、鉛が一本、生活を貫通していて、それはつまり僕を貫通している。

欲しい物はなんだろう。
もう楽にして欲しいとか。
夜明け前の景色とか。
そういうものが欲しいのだろうか。

早く正体を掴んで、欲望へ醸成しなきゃ。
僕は倒れたコップであって、欲望で中身を真空にすることで、前へズリズリ進むのだから。

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