恋はロケット成層圏 魂の一行詩

night drive
(photo by mojolovich)

夏休み恋はロケット成層圏

蝶番ずれたるままに冷蔵庫

老婆打つ蝿より出し腑真白(わたましろ)

落蝉の痙攣だれか通るたび

巻き爪の膿むままにして夕端居

行き止まりダリアに会釈して帰る

夏夜道ファミマはアクアリウムめく

舞い落ちる訃報月へと昇る蝿

空蝉を手に葬列の少女過ぐ

EXIT光る蜘蛛の巣びつしりと

公共の福祉に反すまで花火

抱き合へば転がる玉の汗ひとつ

八月や悪魔は駅の裏にゐる

錠剤やプラスチックな夏の夜

ゆふやけのテレビのやうな嘘くささ

蝿の死が乾いておりぬリノリウム

蠅叩く霊長類の王として

蟹怒る暴力だけが支配する

夕立ちて路面にフリージャズ起こる

大西日レンジの前に卒倒す

 

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