冷ゆる洗濯機 魂の一行詩

cat

(photo by mojolovich)

人は一人で生きているというのはみんな知ってると思うのだけれども、

それは、孤独で複雑で繊細でどうしようもない一個の生命は尊い。

という意味も含めたことで、本当に孤独な人は優しい。

何もかも両手の指をすり抜けて落ちていくのだから、いちいち愛したり憎んだりは疲れる。

せめてその美しさに見惚れてるくらいしか出来ない的な優しさ。

でも、深く覗き込んでみれば、

自分の手の平の下には無限に重なる孤独な手の平のイメージが・・・。

なんか、結構一人じゃないかも的な微笑みをポコン。

#####以下報告

爽やかな女子高生の額(ぬか)に釘

天体に冷ゆるひとつの洗濯機

月や物語に飢えた奴ばかり

気がつけば父に貌(かお)なし地蔵盆

コンバース処暑に破れて風通す

窓に月破瓜の少女は無感覚

長き夜や鉄骨だけの家に坐す

空つぽの虫籠(むしかご)闇の中心点

冷ややかに妻の乳房は眠りけり

野良犬のあくび色なき風の中

携帯の裏蓋なくし夏終る

冗談じゃない犬が見てゐる月がない

チンポコにかまきりをとまらせてゐる

半熟のオムレツ啜る敗戦日

腹が減る蟷螂(かまきり)の眼が黒いから

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