
By: milena mihaylova
どうしても俳句を作ってしまう。
依存しているのだ。
人間はなんにでも依存する。依存していない人間なんていない。
それが良いものか悪いものか、答えはずっと後になるまでわからない。
それでも僕はアナフラニールを齧りながら作り続ける。
蝶の眼に映らぬ者として眠る
恋猫のじつとしてゐる草野球
弟は蝶と話したかもしれぬ
座布団のてらりと夏の来たりけり
生傷をもちて五月の風の中
黄金週間右眼二重になつてをり
暮春かな水の流れに影のあり
頭抱へて白い夏野を抜けられず
母の日の臨海工業地帯かな
耳たぶを蚊に食はれたり恋したり
父がふと空を掴めばてんとむし
薔薇咲いてごつこ言へばごつこなり