頭抱へて白い夏野を抜けられず

 

どうしても俳句を作ってしまう。

依存しているのだ。

人間はなんにでも依存する。依存していない人間なんていない。

それが良いものか悪いものか、答えはずっと後になるまでわからない。

それでも僕はアナフラニールを齧りながら作り続ける。

 

 

蝶の眼に映らぬ者として眠る

恋猫のじつとしてゐる草野球

弟は蝶と話したかもしれぬ

座布団のてらりと夏の来たりけり

生傷をもちて五月の風の中

黄金週間右眼二重になつてをり

暮春かな水の流れに影のあり

頭抱へて白い夏野を抜けられず

母の日の臨海工業地帯かな

耳たぶを蚊に食はれたり恋したり

父がふと空を掴めばてんとむし

薔薇咲いてごつこ言へばごつこなり

 

 

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