狂人

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ベンチに座ってバスが来るのを待っていた。
僕が「マイロの飛行」という本のページを繰ろうとすると、狂人がぬぬぬと寄ってきて隣に腰をかけた。
なぜ狂人とわかったかというとぬぬぬと寄ってきたからだった。
気にしないことにしたが、そうはいかなかった。
狂人が話しかけてきたからだった。

-あなた何月生まれですか?
-11月です。
-僕もです。一番良かったですね。はっきり言ってベストです。
-はぁ。ありがとうございます。
-僕も11月生まれなんです。あなた、20代は苦しかったでしょう?

僕は20代を思い出してみた。
どちらかと言えば苦しかったように思えた。

-僕も20代は苦しかったんです。でも30代はいいですよ。ベストです。
-はぁ。それはまぁ良いですね。
-はっきり言ってあなたベストですよ。30代は・・・。

狂人はぬくっと立ち上がって去っていった。
彼の言葉が僕の空っぽの中身を埋め尽くす感覚を味わった。
どちらかと言えばそれはいい気分だった。
むろん感覚的な意味で。

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