うちの近所には沢山の婆(ばばあ)が住んでいる。
彼女らはたいてい植物が好きで、玄関先に所狭しと植物を並べている。
加えて気に入ったタヌキやワニなどの置物、孫の為のカラフル風車、猫避けの水入りペットボトルなども並んでいる。
あまり世話をしないためか、特定の植物は伸びに伸び、他のものを駆逐する勢い。
また、置物にも絡まりだして、ややこしいことこの上ない。
そこで婆は置物や他の植物に与える害を少なくするためにブチブチに切りまくる。
また放置。
また伸び放題。
婆による侵食。
植物による侵食。
風雨による侵食。
婆ガーデン。
結果、イングリッシュガーデンやナチュラルガーデンとは程遠いカオスでサイケデリックな状態になり、一つの作品になってしまっている。
わたしは息子と散歩しながらそれらを見るのがとても好きだ。
ある時、婆側の侵食が見受けられない庭があって、きけば亡くなったのだそうだ。
アイビーが伸びに伸びまくっていた。
主であり、ライバルであった婆の不在はアイビーにとって悲しいのだろうか?
アイビーはあの家を取り巻いて、婆の思い出ごと絞め潰そうとしているのかもしれない。
と柄にもなく思った。
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