小さいころ、蝶々が飛んでいたので、捕まえてみたのだけれど、
手の中に入った途端にそれは全く美しくはなくなった。
どうしてだろう?
今じゃあたしはフリーク。
気狂いガール。
森ガールなんかじゃないわ。
どちらかといえば阿修羅ガール。
コンクリートの壁に薄暗い蛍光灯の下、奴らの音楽を聴きながら下着で踊っていたら、
あの時の蝶々が頭に浮かんだ。
目の前の鏡のあたしの顔には薄墨で蝶々が精密に描かれていた。
決してドラッグなんてやってなかった。
マイロって売人とはもう別れたもの。
それから二度と同じことは起こらなかった。
で、あなたはあの蝶々を捕まえてくれるの?