ポスト・オフィス  チャールズ ブコウスキー

ポスト・オフィス (幻冬舎アウトロー文庫)
Charles Bukowski
4877288295

世の中の仕組みによるとボク達は勝ち組にはなれない。上司に認められてもトップにはなれない。がっちり仕組まれてるから。
だから、もうそんなことは考えない。それが大前提。
この小説もそんな大前提の上に乗っかっている。

主人公のヘンリーチナスキーは知っているから酒を飲めるときに飲めるだけ飲み、女とヤレル時にヤレルだけやり、賭けるだけ賭ける。それでもタイムカードはしっかりと押す糞のような人生。
「仕組み」からの白い目には、時には大声で、時には寡黙に徹底的に闘う。
敗北は人生を投げ出した時にのみ作用する。
一見、投げ出したかのように見えて、その実、ヘンリーは人生を謳歌しているのだ。
このブコウスキーの処女小説は実に感動的で、かっこよく、勤労意欲とは別の意欲をくれる。

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