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2007年09月02日

スクールアタック・シンドローム  舞城王太郎

「みんな元気。」とともに買った舞城文庫本。
こっちの方が面白かったかも。
帯にはこちらの方がダークっぽく書かれていたけどそんなでもない。

表題作は学校虐殺を計画する少年と鬱病のお父さんのお話で「耳を食いちぎって飲み込んだり」とグロい表現はあるものの鬱病のお父さんが今の自分と重なったりしてなんだかジーンと来た。
生徒たちに笑われる中、息子と教室を出て行きながら「こいつら本当にクソだな。やっぱ殺すか手伝うぞ」「お父さんはこいつらとは違う、別のタイプのクソなんだ」と会話する場面はやっぱりポジティブな作家だなと思った。

3本目の「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」はグロい。同居する叔父から性的虐待を受ける女の子が不死になっちゃって虐待はエスカレート。そもそもウンコ食われたりマンコ舐められたりを幼少期からされてたんだから究極の場所カニバリズム(人肉を食う)へ。ってそこが主目的じゃなくって主人公の高校の同級生が学校では虐められてたその少女となんだか親しくなって、叔父の変態暴力に立ち向かってみるというお話。そこには曖昧ではあるけれど恋が描かれているし無力さや青春の甘酸っぱさがある。

ん〜物語ってなんだろうね。お話のグロさよりも印象が胸にソースをふりかけていくようでとても面白い。起こってることなんてやっぱり問題じゃないんだ。


2007年08月24日

みんな元気。  舞城王太郎

なんだかんだよくわかんないけど漫画よりも軽いものよりも長持ちするから節約になるし頭もよくなるっつって三島とか谷崎とか読んでたんだけど、気持ちも沈んだし体脂肪も7%だしってんで、本屋で舞城を見かけたので買って読む。
んもぉぉおおおお、面白ぇ。
3編入ってるんだけど、あらすじ書いてもわけわかんねーよ。でも書く。

表題作###
・寝てると浮かんでるお姉ちゃん。
・空飛ぶ普通の家に住む空を飛べる家族が突然妹拉致る。
・代わりに男の子を置いていく。
・そんなん代わりになるか〜と思いつつ普通に(?)暮らしちゃう主人公。
・最後に対決→エンディング。

ざっと書くとこんなだけど、色々考えすぎちゃう枇杷ちゃん(主人公)がセックスから逃げてみたり、恋愛したり、拉致られた妹のこと思い出したりして萌え。
家族は交換可能なのか?という問いが表立ってはあるんだろうけど、答えは出ていないんだけど、多分可能んだろうとボクは思う。時間がたてばなんだって薄れていく。けど復元も可能だろうし、過去に起こった家族のいざこざなんて放っておいてとにかく恋をしてみたりするのはもっと視界良好。


2007年08月22日

舞城王太郎って

舞城王太郎って絶対オンナな気がする。
ってそんな意見があるのかなぁと思ってググってみたけれど邪魔臭くなった。
だから自分の意見だけ残しておこうっと。

平気でグロい描写をするところ。
だけど結局愛に満ちた世界に帰着するところ。

グロさを内包して前に進む様はセックスという内臓感覚のグロエロの果てに身ごもった子供を愛しはじめて愛しぬいてしまう母性に通じるような気がする。

そういえばサイケデリックな描写も全てを包み込む粘膜系沼系が多いような・・・。


舞城王太郎って女性かもしくは女性をうちに秘めた男性とプロファイルしてみる。

2006年10月02日

山ん中の獅見朋成雄  舞城王太郎

以前に何かの講演で「思春期の子供たちを理解するキーワードは異界である」ということをきいた。

異界キーワードで思春期を紐解くと、理解不能な行動・理解不能な髪型、服装・少女たちの鏡へのこだわり(異界の門は日本では鏡が多い)などわかりやすい点が多いということだ。そして、異界の住人と付き合う方法を考えれば現代日本の理(ことわり)を通用させようとすることが間違っているということに気づくという内容だったんだけど、多少のこじつけはあるにしても面白い考え方だと思う。

要するに「千と千尋の神隠し」のグロバージョンと考えれば良いんじゃないだろうか。
主人公の行く世界ではカニバリズム(人肉を食うこと)が行われ、彼はカっとなって人を殺しまくり、完璧な女体盛りのために裸の女性の世話をする。バラバラにはなっているけれど、そこには人間の暗部や欲望が集約されているように思う。異性との関係が脱出キーワード。

あと、主人公には背中に毛が生えていて(タテガミのように)。それは家系的にそうで、そのことにコンプレックスを持ってる。けど、コンプレックスってのはエネルギーの源。

読んでてふと思ったんだけど、「父母から受け継いだ優しさ」なんていうけど、優しさなんてみんな受け継いでて特別そいつだけが貰ったわけじゃねーよって思うじゃない?
けど、優しさが形成されるまでには色んな要素や歴史やドラマがあるんだよ。ちゃんと優しさが形成されること自体がすげーこと。だからちゃんと伝えてくれてありがとう。優しさの完品をサンキューなんだね。

グダグダ言っておりますが、舞城さんの文章を読むという行為はボクにとってブレインウォッシュ(うゎ、今、ブレインウォッスってタイプした)。文章が頭の中をサラサラ流れていく感じで、時々は途中で遊んでったりして、とても心安らぐことも書いておきます(だって、寝る前に書いたメモにそうあったから)。

今回、なげぇな。

2006年01月09日

煙か土か食い物  舞城王太郎

舞城デビュー作。
基本はミステリ。内容は家族、暴力、癒しその他モロ。

これはあれだなぁ。ストーリーとか書いたら台無しな気がするな。
読むべき本ってことにしておこう。読み終えると気持ちがスッキリする。
読んでるときはドキドキして、勃起して、ハラハラして、暴力にうんざりする。
単純に飽きない。面白いから。

最近の舞城よりもグッとエンターティメントって感じなんだね。
もっと読みてぇ。

熊の場所  舞城王太郎

ボクにとって本を読むという行為は息をするのと同じ行為でものすごくナチュラルな行為だ。
それでも、うまい空気とそうでない空気があるように、本にも頭にすんなり来るものとそうでないものがある。

この本はとても美味。
3本の短編はそれぞれ、恐怖の克服、弱者と自分、希望、がテーマなように思うけども、舞城さん独特の言い回しとぶっ壊れたシモネタ世界で起こる出来事はボクたちからとても遠いようですぐ近くにあることばっかり。

この人の本に出てくる人って基本的に逃げないんだよね。っていうか、元々人間は逃げられないんだな。物理的には逃げられても、心までは逃げれないから、思考がグルグルループする。でもそれって要するに逃げてないってことなんだよ。内面での対決。一本勝負。

ぶっ壊れてて、最後には人死にがあっても、結局、この本はとても開かれてると思う。オープン。

好き好き大好き超愛してる  舞城王太郎

阿修羅ガールを読んで、かなりすごい作家だと遅ればせながら気づき、節約キャンペーン中にも関わらず本屋で遭遇。購入してしまう。

アクータガワ賞かなんかの候補に挙がっていた表題作は、本当に静かで狂っていてねじれているけどストレートに愛の賛歌だった。グニャっと歪んだ設定の中でそれぞれの主人公は難しいことなしに自分の感情と信念を見直し、愛を構築していく。
感情と愛は別のものだという宗教的な定義はやっぱり違うよ。感情だって大事。全部で一つ、一つが全部。

ドリルホールマイブレインはひたすらサイケデリックで妄想が疾走する。疾駆する。SICK。
好きな人と嫌いな人に分かれるだろうけど、ボクは、まぁ好きなほうだ。

阿修羅ガール  舞城王太郎

んっとー、初舞城だったので、なんだかドキドキしながら読んだんだけども、1ページで引き込まれた。
ボクが基本的に現代風の女子高生の喋り方に弱いってのもあったと思うけど、とにかく、スリリングでリズミカルな文体でスコーンと作品内に突入成功。

内容の方は結構グロい部分とかバイオレンスなところとかあるんだけど、結局、この人はまっすぐに言いたいこと言う人なんだなぁと思う。そのまっすぐな「人間存在への思い」っていう部分があるから、作品内でどんなにシュールなことが起こっても信用して読み進めることができる。
どうなんだろ?これって弱点なの?長所なの?ボクとしては面白かったヨとしか言えない。

そもそも、感想なんていうのは個々で違うんであって、「大方の意見はこれだ」っていう曖昧な正解しかない。国語の勉強ってのは主にそのことを「知る」ということであって、個々の意見をそこへ持っていくということではない。

それはさておき、最後の部分が説明臭くて嫌だっていう意見が多いみたいだけど、ボクはそんなに気にならなかったな。逆にあった方がいいと思ったくらい。最後で説明されていることなんてほんの少しのことだと思うし。

スリリングな文体、妄想暴走、まっすぐさってなところがポイントだね。