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2007年08月18日

美しい星  三島由紀夫

三島は読んだものを全部感想文にして残しておこうと思う。
そうすればこのサイトも少しはアカデミックに見えるだろうからね!

いきなりだけれど、前半は好き嫌いがわかれると思う。ちょっとダレた。
後半の人間についての論戦は白熱!哲学だと思った。感動するお。

自分のことを宇宙人だと気づいた家族。
核による地球破壊を止めねばと使命を燃やす。
とはいえ超能力があるわけでもなんでもなく、ただ普通に秘密結社めいた活動をするだけ。
利用されたり、騙されて孕まされたり・・・・。
もう片方で宇宙人だと気づいた3人。こちらは人類の滅亡を願う方向。
善の家族VS悪の3人の口ゲンカがクライマックスw。

その口ゲンカの中に三島の考える人間・人類への目線がこもっていると思われる。
でも、火星人とか金星人とか木星人とか、ちょっとチープだよなぁ。逆に渋いのか?


2007年04月07日

美徳のよろめき  三島由紀夫

美徳は基本的に揺るがないものである。各人の美徳がTPOに合わせて変わっていてはその人がどういう人であるのかがわからぬようになってしまう。だから三島氏はよろめきと名づけたのだろう。よろめきは倒れることではない。倒れそうになる様である。素晴らしいタイトル。

内容は夫と子供を持つ女性の不倫の話。
解説によれば不倫という世間に認められない事象を、女性の内面を鋭く描くことによって人工的な美の構築に成功した云々と書かれていた。

しかしながら、この解説は少々古めかしい。ボクがコンビニで仕入れる俗な情報誌によれば不倫は文化を通り越して不倫当然の時代になっている。だとするならば現代のこの小説の意義はなんなのか?
それはやはり美であると思う。あるきっかけによってスイッチが入り、心と体が火照り、どうしようもなくなる人間は美しい。スイッチの入った人間はとても美しいのだ。その様子がこの小説には描かれている。
三島氏がその想像力と構築力と才能でもって切り取った美しい人間。それがこの小説の魅力。

ボクは今夜も火照り火照り火照り、明滅しながら眠る。

2006年12月14日

永すぎた春  三島由紀夫

三島由紀夫に取り組もうと思った今年の秋。ボクが選んだのは女性のエクスタシーを音楽になぞらえた妖艶な軽妙なタッチの「音楽」とこの本。あと、未読の「美徳のよろめき」。

軽いものから攻めていこうと思っております!!

この本は結婚が決まった二人の恋の熱病から醒める過程〜愛。といったことが描かれていて、エンターテイメント性に優れた作品でありながら鋭利。という良い本。

貫くような描写にジンとくるし、ボクが大嫌いだった風景描写もあっさりとかつ美しく描かれていてなるほどなぁ、日本語って美しいなぁと思った。あと、この年代くらいのちょっとハイソな感じの言葉遣い「〜〜した方がよくなくて?」などの使い方が個人的にかなりツボった。

三島さんを敬遠してる人にはオススメで、ヒロインの処女を狙う男とそれを売ろうとするババァなどが登場したりして、結構暴れん坊でガスよ。ボクの日本語はグダグダでガスよ。

2006年11月06日

音楽  三島由紀夫

2006年の秋〜冬にかけて三島由紀夫を読もうと思っている。
で、以前に「金閣寺」で挫折を味わったボクはもう少し読みやすいものをと思って、婦人雑誌に掲載されていたというこの作品を読んでみた。
いやぁ凄い。読みやすいんだけど、全然薄くなくって構成などもほぼ完璧だと思った。
それに各所に散らばる魂を鷲づかみにするようなリリックの数々。脱帽。
不感症を「音楽が聴けない」という比喩で訴える美しい女性と精神分析家の話で、まぁ、フロイトの説を中心にしていることから現代の心理学から見れば古いんだろうけど、そういうのが気になる人は現代心理学入門とかの専門書を読めばいいわけで、ボクは小説としてとても楽しめた。
まさにorgasmというこのサイトのタイトルに相応しい内容。

倫理を破ったからこそ見える神聖さ。最底辺のドヤ街の片隅でみるキリスト誕生の白昼夢。
下水を通った天使と路上を通った天使は、最終的に同じように汚れてしまっていたというペリーファレルの言葉を思い出したりして、心の中をバックパックできたよ。