鏡姉妹の飛ぶ教室 佐藤友哉
鏡姉妹の飛ぶ教室 (講談社ノベルス)
佐藤 友哉
もうね、今の小説は凄い。細かい設定とか説明とか、これどうなってんの?なんでこうなってんの?とかっていうレベルは終わった。
リアリティとはなんであるかなんてたいしたことじゃないんだ。
要するに現実っていうのはボクが、わたしが、感じ得るこの世界以外のこと以外の何者でもない。
いきなり中学校が地中に埋まって同級生がズブズブ死んだところから始まるこの小説。
液状化現象とか軽く説明なされてるけど、そんなピンポイントで学校が埋まるほどの液状化現象が起こるのかどうかってのは知らないし、調べたくもない。
むしろこの小説がユヤタンにしてはやりすぎ遊びすぎハハハハハハって爽快な感触が心地良かったりする。
生き残った生徒たちがイカレ人間ばかりでバトルロワイヤル状態になって殺しあう(っていうかあんまり殺してないんだけどさ)。萌え系女子中学生の一人の武器がギターのファイヤーバードなんて意味不明感を出しつつ、普段目立ってない陰気な生徒が急に極悪になって屍姦したり、「お前ら目立つ奴らは無意識に俺らを踏みにじってたんだろうがぁぁああ!!!」って狂いだしたと思ったら「もう外には出たくない。ここで永遠夏休みする」って言い出したりする。ファイヤーバード少女が「弱者なんだからいきなり粋がっても糞は糞のままですよ」とか言ってたりして、学校行ってたら鬱になりそうな会話がいっぱい出てくる。確かにウィッシュ!とか思わせておいて、「本気にすらなったことないくせに偉そうなことを言うな」「それはお前の本気が足りないからだ」と深手を負っても凛とするロンパリ少女がキッパリハッキリ言う。
みんなは本気を出してる?おれは出してないね。それで色々文句ばっかり言ってるね。
これはきっとユヤタンの心象の言葉なんだろうなと思う。
んでやっぱり本気を出すことは全然間違ってないし、本気を信じることはとても正しい。そんで、本気で失敗したのなら本気の本気を出せばいい。
前向き!!!
ユヤタンなのに!!!
救いのない終わり方を無理矢理つけているっぽいけど、まぁサービスなんだろう。
終わりの落ちは鏡家シリーズを読んでいかないとわからないように出来てるからフリッカー式から読んでいってね。
## 鏡家サーガについて
・フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人
・エナメルを塗った魂の比重 鏡稜子ときせかえ密室
・水没ピアノ 鏡創士がひきもどす犯罪
・鏡姉妹の飛ぶ教室 〈鏡家サーガ〉例外編
・クリスマス・テロルは入んないのか・・・
サリンジャーのグラース・サーガをもじって鏡(グラス)家サーガ。んっと、色々な小説の中にその家族それぞれが重要人物として登場する。また、その家族の各々は全てぶっとんでいて、そのぶっとび具合がストーリーに影響する感じ。つまり、一個一個の作品は単独で完結してるんだけど背景として存在している(ユヤタンの場合は少し背景を逸脱してるけど)。なので背景まで知りたいと思ったら最初から読んだ方が掴み易い。でも途中から読んだらわかんないか?って言われたらそれはそうでもなく、きっと楽しめると思うのでお好きな読み方でいいと思うよ。
↓最初はこれから始まった。
フリッカー式―鏡公彦にうってつけの殺人 (講談社ノベルス)
佐藤 友哉


